クライミングにおける安全活動について

クライミングは、死亡や重大な障害などの危険を含む行為です。よってアルプス灯会でクライミングを行うメンバーは、自発的に以下の指針を設定し、安全に留意して活動を行います。

  • 計画を提出し、報告を行います
  • 確認書を提出します
  • 確認書提出メンバーを明確にします
  • 活動範囲を明確にします

計画の通知と報告の義務 計画を提出し、報告を行います。
もし事故が起こった場合は、小さな事故でも報告します。
計画に関しては
室内壁練習の場合は計画も終了報告も不要です。ただし事故発生時は連絡します。
ゲレンデでの練習は、簡単な計画(場所と参加者)をメールまたはFAXで事前に連絡します。 終了報告はメールまたはFAXで行います。
本ちゃんは、通常の山行と同じフォーマットの計画書を提出します。報告も行います。 ふみあと原稿、HP山行報告も通常の山行と同じです。
確認書の提出 クライミングを行うメンバーにクライミングは危険ですという事を認識してもらうため、また不幸にして事故発生・責任追及という事態に陥った時の、会・リーダ・同行者の防御策として用意します。
この確認書は営業室内壁以外で、当会メンバーと初めて一緒にクライミングに参加する時に書いていただきます。
確認書提出メンバーの明確化 クライミングを行うメンバー内で管理者を選出し、確認書の管理を行います。
活動範囲の明確化 当会メンバーと一緒にクライミングに行く活動はすべてアルプス灯会の活動です。

クライミングに関連する刑事罰

クライミング中の事故で課せられる可能性のある刑事罰は「過失傷害の罪」と「業務上過失致死傷罪」ではないかとの事。

刑法第209条と第210条、第211条。
「過失傷害の罪」
○第209条
過失により人を傷害した者は、30万円以下の罰金又は科料に処する。
A前項の罪は、告訴がなければ公訴を提訴することができない。
○第210条
過失により人を死亡させた者は、50万円以下の罰金に処する。

いわゆる事故。落石を起こして人を死なせた、セカンドで登っていてフォールしたら、後続していた次のパーティのトップにあたってしまい、運悪くその人の支点が全部抜けて、落下し死んでしまった。
この場合もし告訴されて刑事罰を受けるとしても、MAX50万円という事になります。
賠償責任(民法)とは別。

「業務上過失致死傷罪」
○第211条
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
自動車を運転して前項前段の罪を犯した者は、障害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
注意としてはこの「業務上」というのは、反復・継続して行われる活動という意味合いに過ぎないと解されているらしいです。仕事という意味ではないという点に注意。
また、業務上必要な注意を怠ったとは、特に山岳の場合、通例・慣例に従っていなかったどうかが争点になるだろうとの事です。これは別項

クライミングに関連する民法(賠償責任)

民法 709条
「不法行為責任」
故意または過失に因りて、他人の権利を侵害したるものは、これによりて生じたる損害を賠償する責に任ず。

この709条がいわゆる賠償責任といわれるものです。
「わざと」あるいは「うっかり」して、怪我をさせたり、他人の傷害や死亡の原因になったりしたら、賠償金を支払う責任がある、と言うことです。

クライミングにおける注意義務

いくら自主登山・非営利の会であり、自己責任の確認を取っていたとしても、注意義務を怠ると、過失として刑事罰および賠償請求を受ける可能性があります。

では注意義務を怠るとは具体的になにかという話になります。
特に山岳の場合、通例・慣例に従っていなかったどうかが争点になるだろうとの事ですので、思いつくままに挙げてみました。
以下に挙げた事例は例です。下記リスト以外でも「注意義務を怠った」と 裁判所に判断される可能性がある事に留意してください。

○パートナーとして
- 不適切なルートの選定
例えば5.8クラスしか登れない新人を、一気に5.13レベルのルートにリード で取り付かせた。
- ビレイの過失
ビレイ中に寝てしまった。
ビレイ中に両手を話して、写真をとっていたりタバコを吸っていた。
- 無謀なトライの黙認
どうみても登れるはずのないルートに、フリーソロ(ロープなし)で挑む というメンバーに注意をしなかった。
- 不適切な用具の使い方
確保器具の使い方が間違っている。
練習ででも使用したことのない結び方で、ロープを結束し懸垂下降した。
スリングにロープを直接かけてロワーダウンした。
下降器具を忘れたのに、登ってしまい、肩がらみ懸垂下降し、事故を起こした。
○会として
- クライミング技術を教えていない、教える場を提供していない。
- 無謀な計画に対し、許可を与えた。
- 経験のないメンバー含め無制限に人を募り、本ちゃんルートにとりつかさせた。
- 確保訓練時、バックアップをとらずに、新人に確保を取らせ、確保に失敗、 モルモット役が負傷した。
- 登攀成果をあおった、またはあおるような雰囲気を作った。